不動産売却の確定申告:税理士への依頼時に必要な「書類リスト」

不動産を売却して利益が出た場合、翌年の確定申告が必要です。税理士に申告代行を依頼する場合でも、申告書作成の元となる「証拠書類」は、お客様ご自身で集めていただく必要があります。

特に、何十年も前に購入した物件の場合、書類が散逸していることも少なくありません。書類の不備は、「取得費(経費)」の計上漏れや、特例の適用不可につながり、税金が高くなる原因となります。

本記事では、不動産譲渡所得の申告を税理士に依頼する際に、手元に用意すべき必要書類を解説します。


1. 【最重要】「売却した時」の書類

まずは、今回の売却に関する書類です。これらは手元にあることが多く、比較的集めやすいものです。

書類名目的と解説
売買契約書(写し)売却価格や契約日、引き渡し日を確認するために必須です。
譲渡対価証明書・精算書最終的にいくら受け取ったか、固定資産税の精算金がいくらかを確認します。
仲介手数料の領収書不動産会社に支払った仲介手数料は、「譲渡費用」として経費になります。
印紙代の領収書売買契約書に貼った収入印紙代も経費になります。
登記費用(抹消)の領収書抵当権抹消登記などの費用も経費として計上可能です。

2. 【紛失注意】「購入した時」の書類

税金を計算する上で最も重要なのが、「その不動産をいくらで買ったか(取得費)」を証明する書類です。この書類があるかないかで、税額が数百万円変わることもあります。

書類名目的と解説
購入時の売買契約書(写し)物件の購入価格(土地・建物代金)を証明します。最も重要な書類です。
購入時の仲介手数料領収書購入時に払った手数料も、取得費(経費)に含まれます。
建築請負契約書注文住宅を建てた場合、ハウスメーカーとの契約書が必要です。
リフォーム・増改築の書類過去に行ったリフォーム工事の契約書や領収書。資産価値を高める工事は取得費に加算できます。

※ 購入時の書類がない場合

先祖代々の土地や、契約書を紛失してしまった場合は、売却価格の5%を取得費とする「概算取得費」を使わざるを得ないことが一般的です。しかし、通帳の出金履歴や住宅ローンの契約書などから価格を立証できる可能性もあるため、手掛かりとなる資料はすべて税理士にご提示ください。


3. 「特例」を使う場合に追加で必要な書類

マイホーム売却時の「3,000万円特別控除」や「相続空き家の特例」など、税金を安くする特例を使う場合は、税務署への提出書類が増えます。

居住用財産(マイホーム)の3,000万円特別控除

  • 戸籍の附票:売却した住所に住んでいた履歴を証明するため。
  • 住民票の除票:売却して転居したことを証明するため。(※売買契約書等の住所と、現在の住民票の住所が異なる場合に必要です)

4. その他、用意しておくとスムーズな書類

必須ではありませんが、以下の書類があると税理士の確認作業がスムーズに進み、より正確な申告が可能になります。

  • 全部事項証明書(登記簿謄本):土地・建物の正確な面積や権利関係の確認のため。
  • 固定資産税の課税明細書:毎年春に届く通知書。土地と建物の評価額内訳の確認などに使用します。

5. まとめ:書類探しは「節税」の第一歩

不動産譲渡所得の申告において、書類は単なる紙切れではありません。それは「経費を証明し、税金を安くするための証拠」です。

特に「購入時の書類」や「リフォームの領収書」が見つかれば、それだけで数十万円以上の節税につながる可能性があります。

「どの書類が必要か判断できない」「書類が足りないかもしれない」とご不安な場合は、手元にある関係書類をすべて箱にまとめて、そのまま税理士との面談にお持ち込みください。専門家が必要なものを選別いたします。


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