労働者派遣事業の監査証明・合意された手続
労働者派遣事業の許可申請・更新に伴い必要となる、公認会計士による監査証明書及び合意された手続実施結果報告書の作成を、労働者派遣事業法及び関連法令に基づき的確に支援いたします。

1. 労働者派遣事業における財務的基礎要件と公認会計士による証明
労働者派遣事業の許可及び更新には、労働者派遣事業法に定められた財務的基礎要件を満たす必要があります。これは、派遣労働者の保護及び事業の安定的な運営を確保することを目的としています。
具体的には、直近の事業年度の決算において、以下の基準を満たしているか確認されます。
- 基準資産額: 2,000万円に事業所数を乗じた額以上であること。(基準資産額 = 資産総額 - 負債総額)
- 現預金額: 1,500万円に事業所数を乗じた額以上であること。
- 負債比率: 基準資産額が、負債総額の7分の1以上であること。
上記のいずれかの要件を満たさない場合、または小規模派遣元事業主への配慮措置の対象とならない場合等においては、公認会計士による監査証明(新規許可・更新)または合意された手続の実施結果報告書(更新のみ)の提出が求められます。
2. 提供業務の詳細:監査証明と合意された手続
当事務所では、労働者派遣事業の許可・更新に必要な公認会計士による証明業務を提供しております。
2.1. 監査証明
目的 | 申請者の財務諸表(通常は貸借対照表及び損益計算書)が、一般に公正妥当と認められる会計の基準に準拠して、全ての重要な点において適正に表示されているかどうかについて、公認会計士が独立の立場から意見を表明すること。 |
適用場面 | 新規許可申請時及び許可更新申請時。 |
実施内容 | 一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠し、試査を基礎として財務諸表の全体について検討を行います。 |
報告形式 | 監査報告書(監査証明書)として提出。 |
2.2. 合意された手続 (Agreed-Upon Procedures: AUP)
目的 | 依頼者と公認会計士との間で事前に合意した特定の手続を実施し、その実施結果のみを客観的に報告すること。監査証明とは異なり、意見の表明は行いません。 |
適用場面 | 許可更新申請時のみ。 |
実施内容 | 通常、労働者派遣事業の更新においては、許可要件である資産、負債、現預金等の特定の勘定科目残高を確認する手続が中心となります。 |
報告形式 | 合意された手続実施結果報告書として提出。 |
【独立性に関する注意点】
監査証明及び合意された手続は、対象となる事業者の事業運営に実質的に関与していない、独立した立場の公認会計士によって行われる必要があります。したがって、顧問税理士や既に関与している公認会計士がこれらの証明業務を行うことはできません。
3. サービス提供体制
- 初回相談と要件確認
- まず、お客様の直近の財務状況や許可申請の状況について詳細を伺い、監査証明または合意された手続のいずれが必要となるか、また、その前提となる財務要件の充足状況について確認します。
- 業務範囲と見積提示
- 必要な業務範囲を特定し、翌営業日中までに見積書を提示いたします。
- 契約締結と資料依頼
- 業務委託契約を締結後、監査または合意された手続の実施に必要な資料リスト(勘定科目内訳明細書、総勘定元帳、預金通帳写し、借入金返済予定表等)をご提示し、ご準備いただきます。
- 監査・手続の実施
- ご提出いただいた資料に基づき、公認会計士法及び関連諸規則に準拠して、厳格かつ効率的に監査または合意された手続を実施します。全ての作業完了後、労働局への提出形式に準拠した監査証明書または合意された手続実施結果報告書を正式に交付いたします。
- 監査・手続の実施
- ご提出いただいた資料に基づき、公認会計士法及び関連諸規則に準拠して、厳格かつ効率的に監査または合意された手続を実施します。全ての作業完了後、労働局への提出形式に準拠した監査証明書または合意された手続実施結果報告書を正式に交付いたします。
4. 業務プロセスと標準的な所要期間
- お問い合わせ・初回相談: 翌営業日中に担当者よりご連絡
- お見積り提示・ご契約: ご相談後、翌営業日中
- 必要資料のご提出: お客様のご準備状況によります
- 監査・手続実施: 資料受領後、通常1~5営業日(事業規模・複雑性による)
- 報告書発行: 手続完了後、通常1~2営業日
※上記は標準的なケースであり、お客様の状況や資料の準備状況により変動いたします。お急ぎの場合は、可能な範囲で柔軟に対応いたしますのでご相談ください。
5. 料金体系
- 監査証明(新規・更新): 150,000円~350,000円(税別)程度
- 合意された手続(更新のみ): 100,000円~250,000円(税別)程度
※上記金額は、事業所の数、資産規模、取引の複雑性、資料の整理状況等により変動いたします。正式な料金は、個別にお見積りさせていただきます。
6. よくあるご質問(専門的・手続的観点から)
直近の決算書で資産要件を満たせない場合、月次決算で対応可能ですか?
はい、事業年度終了後の月次決算または中間決算で資産要件を満たす場合、その時点を基準日として監査証明を行うことで対応可能です。ただし、当該月次決算等が適切に作成されていることが前提となります。
個人事業主や設立間もない会社でも依頼できますか?
はい、個人事業主の方、新設法人や設立準備中の会社様からのご依頼も承っております。
監査証明や合意された手続の基準日は、月末以外でも可能ですか?
原則として特定の日付(通常は月末日)となりますが、状況により月の途中の日付で対応可能な場合もございます。詳細はお問い合わせください。
監査証明と合意された手続のどちらを選択すべきか分かりません。
新規許可申請の場合は監査証明が必須です。 更新申請の場合は、お客様の状況や労働局の指導等を踏まえ、適切な方をご提案させていただきますのでご相談ください。
申請手続き自体の代行もお願いできますか?
恐れ入りますが、当事務所では監査証明書及び合意された手続実施結果報告書の作成に特化しており、労働局への申請手続き代行は行っておりません。必要に応じて、提携の社会保険労務士法人をご紹介することは可能です。
7. お問い合わせ
契約内容のご質問、お見積り等のご依頼などお気軽にお問い合わせください。
労働者派遣事業の監査証明・合意された手続に関するご相談、お見積りのご依頼は、下記までお気軽にご連絡ください。専門の公認会計士が直接対応いたします。